第1章 はじめに

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第1章 はじめに

第1節 仮説

第1項 仮説① 古代兵器は最低5つある

古代兵器は最低5つある、と推察している。ロビンが「3つ」と発言していても、これを鵜呑みにはしない。嘘をついているとまでは断定しないが、真実の全てを語っているとは捉えていない。プルトン、ポセイドン、ウラヌス以外の古代兵器について、以下の可能性を前提とする。

① 不知・・・ロビンは単に知らない。
② 喪失・・・かつて存在したが、いつの時点にか喪失し、再生不能と認識されている。
③ 異称・・・「古代兵器」とは称されない。例えば「未来兵器」。

追加の2つは、“古代兵器ゼウス”と“古代兵器クロノス”である。

「最低5つある」と表現したのは、それ以上の可能性も踏まえてのことだ。やや変則的だが、計8つあるいは9つの可能性もあると考えている。

第2項 仮説②“ひとつなぎの大秘宝”の可能性

“ひとつなぎの大秘宝”とは何であるか? 以下5つの可能性を提示する。

① 宙航戦艦
電伝虫
③ 人類進化促進装置
④ テラフォーミング装置
⑤ 仮想現実構築装置

本稿『ワンピースの材源研究』 序説 「ギリシア神話」編ではその理由、根拠の詳細は論じない。その点は、第一部「機動戦士ガンダムUC
」編、第二部「新世紀エヴァンゲリオン編」、第三部「風の谷のナウシカ」編、第四部「星を継ぐもの」編に譲る。

第3項 仮説③“D”とは“神々”である

・ミドルネーム“D”
・“D”の意志
・“D”の一族
・“D”はまた必ず嵐を呼ぶ

作中の説明の少なさから、様々な解釈を惹き起こす“D”ではあるが、その多義的解釈の余地を積極的に認めつつ、“D”の本来的由来は“神々”であると主張する。

『ONE PIECE』第77巻764話:ロシナンテ
「おれの故郷では子供はこうしつけられる
『行儀の悪い子は“ディー”に食われてしまうぞ』」

ロシナンテの発言から“D”が“ディー”であるとするのなら、“D”は“神々”である。本稿では、ギリシア神話から古代兵器の正体を考察する過程で、そのことを掘り下げていく。



コラソン

第2節 読解方法

第1項 マジックナンバー3

ワンピースの作中、“3”という数字は重要な意味を持つ。三者で均衡を取り、安定を保つ関係だ。三者の一角が欠けることで均衡は崩れ、失われた安定“3”を取り戻すドラマが生じる。四つ目が加わることでも同様の効果が生じる。「新世紀エヴァンゲリオン」でも多用された手法だ。



エヴァンゲリオンの夢―使徒進化論の幻影

ビジネスの世界でも“3”は重要な数字だ。理由を説明したり、要素を分析する場合、それらを“3”で構成する事が多い。コンサルティング会社マッキンゼーでは、“マジックナンバー3”と称しており、本稿ではそれに倣う。



3は発想のマジックナンバー―三つに分ける、三つにまとめる、三つめを見つける

作中に現れる主なマジックナンバー3を列挙する。

・海賊王が手に入れるもの・・・富・名声・力
・人が「自由」の答えを求める限り止めることのできないもの
・・・受け継がれる意志・人の夢・時代のうねり
・悪魔の実・・・ロギア系、ゾオン系、パラミシア系
・覇気・・・覇王色、武装色、見聞色
・三大勢力・・・海軍、王下七武海、四皇



海軍


王下七武海


四皇 赤髪のシャンクス

・政府三大機関・・・マリンフォード、エニエス・ロビー、インペルダウン
・海軍大将・・・赤犬、青雉、黄猿



サカズキ


クザン


ボルサリーノ

・ひげ・・・白ひげ、黒ひげ、茶ひげ



白ひげ エドワード・ニューゲート


黒ひげ マーシャル・D・ティーチ


茶ひげ

・親子三代・・・ガーブ、ドラゴン、ルフィ



モンキー・D・ガープ


モンキー・D・ドラゴン


モンキー・D・ルフィ


・三刀流ゾロ
・三代鬼徹

ここに挙げたもの以外にも、様々な“3”があるはずだ。

特に「三兄弟」は、パターンを変えて繰り返し現れる。マジックナンバー3の中でも、三兄弟は特に重要な意味を持つと思われる。

・【義兄弟】サボ・エース・ルフィ
・【三つ子】神官:サトリ・ホトリ・コトリ
・【三姉妹】ゴルゴン三姉妹:ハンコック・サンダーソニア・マリーゴールド
・【妹あり】ネプチューン三兄弟:フカボシ・リュウボシ・マンボシ

本稿ではこの「マジックナンバー3」を手がかりに、作品の読解を進める。登場人物、設定、小道具などの主要どころは、必ず「均衡のとれた【3】で構成される」というマジックナンバー3をワンピースの作品世界の大前提と捉える。2つしか登場していないものは3つ目の登場が必須であるし、3つが揃っていても均衡が取れていないものは別の要素から再構成されると考える。

第2項 材源としてのギリシア・ローマ神話

『ONE PIECE』第66巻650話:ロビン
「何の為にか遠い昔に実在した
この世界を滅ぼせる程の力…
神の名を持つ…3つの古代兵器
『プルトン』『ウラヌス』……『ポセイドン』」

ロビンの発言により、古代兵器は3つとされる。プルトン、ウラヌス、ポセイドン。

古代兵器は数こそ“3”ではあるものの、本質的には均衡が取れていない。つまり、マジックナンバー3は成立していないと解釈する。

それはどういうことか? ギリシア・ローマ神話を切り口に検証しよう。

3つの古代兵器の名前は、ギリシア神話の神に由来する。

「プルトン」は冥府を司る神「ハーデス」の別名。

「ポセイドン」は地震と海を司る神。

「ウラヌス」は天空を司る神「ウラノス」のラテン語形。厳密にいうと、ウラヌスはローマ神話の神だ。

ローマ神話は、ギリシア神話を材源にしている。というのも、古代ローマは古代ギリシアを征服すると、既存のローマ神話の神々をギリシア神話の体系に当てはめ、神話を読み換えたからだ。そのため、ギリシア神話と神々とローマ神話の神々はそれぞれ一対を成して存在する。

例えば、ギリシア神話におけるポセイドンに相当するローマ神話の神は、ネプチューンである。逆に、ローマ神話におけるウラヌスに相当するギリシア神話の神は、ウラノスである。

ともあれ、ローマ神話はギリシア神話の神々の名をローマ神話由来に書き換えただけなので、これからはギリシア神話を基本に論を展開する。

古代ギリシアの宇宙観の原典とされるヘシオドス著作の叙事詩「神統記」では、天地創造とその過程で生まれた神々の系譜、親子三代の王権争奪戦の末に大神ゼウスによる絶対王権確立までが語られている。枝葉を省略して要点をまとめると次のようになる。

まずカオス(混沌)があった。

カオスからガイア(大地)が生じ、ガイアは一人、誰とも交わることなくウラノス(天空)を産み、さらに沢山の神々を産む。ウラノスは、神々を統べる最初の王となった。

その後ガイアは最初の息子ウラノスと交わり、一つ眼の巨人キュクロプスと、百の腕を持つ巨人ヘカトンケイルを、3人ずつ産む。キュクロプスとヘカトンケイルの異形に驚いたウラノスは、6人の巨人たちをガイアの胎内に無理矢理押し込んでしまった(タルタロスに封じ込めたという説もある)。

その後もウラノスはガイアと交わり続け、男女6神ずつ計12の巨神(ティターン)をもうける。それでもなお、キュクロプスとヘカトンケイルを産むことを許されないガイアは、ウラノスへの復讐を思い立つ。12人の子供達を集め、父親に懲罰を与える者を募ると、最も奸智に長けた末子クロノスがこれに応じた。クロノスはアダマスの大鎌でウラノスの男根を切り落とし、喜ぶガイアの指名を受け、ウラノスから「神々の王の座」を引き継いだ。

その際、ウラノスは負け惜しみにクロノスへ「お前もまた、自身の子によって王座を追われるだろう」との呪いの予言を残した。

予言を信じたクロノスは、自身の王権を子に奪われることを恐れ、妻ヘラとの間に子が生まれるなり次々と呑み込んでしまう。ハーデスもポセイドンもそれでクロノスに呑み込まれている。ヘラの奸計で唯一呑み込まれずにすんだゼウスは成人すると、クロノスに催吐剤を飲ませて兄弟達を吐き出させた。

そして、クロノスとゼウスの王権争奪戦“ティタノマキア”が勃発する。クロノスは兄弟達ティターン神族を味方に、ゼウスも兄弟達オリュンポス神族を味方につけ、戦いは10年にも及んだ。

最終的にはゼウス側オリュンポス神族が勝利し、その戦果である“世界”を、ゼウス、ハーデス、ポセイドンの三人で分割統治することになる。くじ引きの結果、ゼウスは“天空”を、ハーデスは“冥府”を、ポセイドンは“海洋”を得、またその功績からゼウスが三代目「神々の王」となったため、空席である大地についても実質的にはゼウスの支配下となった。

その後ゼウス率いるオリュンポス神族は、ガイアが裏で糸を引く勢力との二度の戦い・・・「ギガントマキア」と「テュポンとの最終決戦」に打ち勝ち、ゼウスの王権を絶対的なものとした。

本稿では、ギリシア・ローマ神話を、作品読解におけるもう一つの切り口とする。ワンピースはギリシア・ローマ神話を「材源」としており、古代兵器の名称を表面的にギリシア神話の神の名から借用したのではなく、ストーリー、キャラクター設定の深い部分で下敷きにしていると解釈してのことだ。

材源とは、文学研究、特にシェイクスピア研究において使用される用語で、文学作品上のストーリー、ドラマ、キャラクター、ガジェット、文体等々が、他の作品を下敷きにしていることを表す。

プルトン、ポセイドン、ウラヌス。古代兵器が3つ存在するからといってマジックナンバー3が成立するわけではない。ウラヌスは天空神、ポセイドンは海洋神、プルトンが冥界神であることから、一見バランスがとれているように見えるが、本質的には無理がある。

ギリシア神話では、ポセイドンとプルトンは兄弟、ウラヌスはその祖父にあたる。兄弟のうち一番重要な存在であるゼウスを欠き、代わりに祖父のウラヌスを充てたところで均衡は取れない。では、古代兵器のマジックナンバー3とは、どのようにして成立するものであろうか?


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